新鮮な海産物で知られる港町、北海道函館。函館の海産物は、寒冷な海域で育ったため、豊富な栄養と独特の旨味を持っています。特に、カニ、ホタテ、エビ、ウニなどが有名で、その旨味と鮮度を求めて、日本中から食通たちが押し寄せます。1980年創業の小西鮮魚店は、北海道函館の水産物卸売市場から新鮮な海産物を全国に直送する専門店です。北海道の海の幸は、小西鮮魚店から宮古島にやってきます。小西鮮魚店の神経締め技術と漁師との連携小西鮮魚店の小西昭会長と渡辺明シェフとの付き合いはかれこれ30年以上。小西昭会長は、良い魚に出会うには、魚を釣ってくる良い漁師さんと一緒に仕事をすること、信頼関係が一番大切と語ります。特に鮮度が重要とされる魚は、釣った後から劣化が進みます。血液から鮮度が落ちるため、小西鮮魚では釣ってからできるだけ早く神経締めを行います。まず、しっかりと血を抜くことで身の臭みが減り、鮮度が保たれます。次に、神経を破壊することでATPがイノシン酸に変わり、旨味が増します。神経締めを適切に行い、適切に保管すれば、魚は一週間ほど美味しくお刺身でも味わえます。漁師との絆、過酷な海で培った技と信頼神経締めには魚ごとの特徴に合わせた熟練の技術が必要です。もっと、本当に美味しい魚を届けたい思いで、小西さんは漁師さんの船に乗り込み、漁師さんにも神経締めの技術を伝えるようになりました。厳しい寒さと強風が吹く北海道の海での漁は過酷です。昭さんは一緒に船に乗り込むことで、漁に必要な技術と経験値の大切さを実感したそうです。また、船での魚の取り扱いや細かな作業を通じて、漁師さんの仕事があってこその自分たちの仕事のありがたみを尊敬の念とともに感じたそうです。漁の現場を知ることで、漁師との信頼関係が深まり、漁師さんも小西さんの熱意を感じ、釣った後に船で生きているうちに活締め、そして神経締めに協力してくれるようになりました。小西鮮魚店の進化と挑戦「同じ「あきら」っていう名前だし、何より本当に美味しいものをお客さんに食べてもらって、喜んでもらいたい、その思いが同じなんですよ」、渡邉明シェフと30年以上もともに歩んできた小西会長はそう語ってくれました。現在、小西鮮魚店2代目で社長をつとめる小西一人 (こにしかずと)さんのモットーは「漁業を守り、進化させる。」東京の大学を卒業後、デザイナーとして活躍し、父親である昭会長が引退しようとしたタイミングで、この世界に飛び込みました。小西鮮魚店では「一匹の魚の価値を高めていく」ことが最大のテーマです。一人さんは、魚の種類が変化し、漁獲高が減少する中で、魚の価値を最大化することが重要、と話します。漁業従事者の減少も課題であり、これに対応するためには、漁師の技術や知識を次世代に継承し、効率的な漁法や鮮度保持技術の向上が求められます。一匹一匹の魚の価値を最大化することで、持続可能な漁業を実現することにも期待ができます。魚に対する向き合い方のほかにも、小西鮮魚店では、現在、SNS(LINE)を活用した情報発信や個人のお客様への販路の拡大、一人さんのデザイナーの経験を生かした商品のブランディングにも取り組んでいるそうです。The Oliveaでは小西鮮魚店さんのおかげで、宮古島でも、北海道の魚介類の品質と味を堪能できるのです。寒冷な海域で育った北海道の海産物は、独特の旨味と栄養価が高く評価されています。これにより、沖縄の豊かな自然と共に、北海道の豊かな海の恵みを楽しむことができ、地域間の食文化の交流が深まることができたら幸いです。